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【新型TEST&RIDE】HONDA CB650R インプレッション

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  • 2019.07.02

コンパクトでダイナミックなスタイリングが魅力! ミドルクラスのネオスポーツカフェ「ホンダ・CB650R」が発売されました。 車名がRとなり、どのように変わったのか・・、初代CB650Fはとても楽なバイクで、開発者によると裏コンセプトは「ママチャリバイク」だったそう。Rになりかなりスポーティになったが、初代の感じも捨て難い……。

R化で火がつくか 新型CB650R

ネオスポーツカフェの仲間入りと共に路線を変更


激戦区のミドルクラスに4気筒で挑み続けてきたホンダ。意外に短いサイクルでモデルチェンジを果たしてきたCB650シリーズだが、今回は車名末尾にRをつけ、コンセプトそのものを変えるようなチェンジを果たした。その方向性に対する思いと、実際の車両の印象についてレポートする。


■試乗・文 : ノア セレン

■撮影 : 松川 忍

  • ホンダ車ならではの緻密エンジンフィール

やっと注目されるスタイリングを手に入れてくれたか、と販売店の皆さんはお思いだろう。2014年に登場した時の位置づけとしては、主に海外ではホーネット600の後継機というものだったが、国内においてはまだこのミドルクラスに火がついていなかったせいか、もう一つ注目されないモデルのままだった。



 同時期にヤマハのMT-07などが登場したのも逆風と言えるだろう。トルクフルなツインを搭載したこのモデルが注目を集める中、ホンダらしい、もしくは日本車らしい伝統的な4気筒を搭載したCB650Fは高価なこともあってか販売は大成功とはいかなかった面もある。とても扱いやすい4気筒エンジンは高回転域でDOHCらしいパンチに欠けたという面もあったかもしれない。実用にはとても良かったのだが、ライバルの中において輝きが足りなかったのかもしれない。


それでもホンダはこのバイクに対して思い入れがあったのだろう。2017年には早くもモデルチェンジを果たし、パワーアップやLED灯火類の採用、元気になったエンジンに合わせてよりスポーティなポジションを採用し、スタイリングもアップデートさせてきた。筆者はこのモデルに1年ほど乗っていたが、全く問題のない良きツーリングスポーツモデルであった。



公道におけるスポーティな走りをするには必要十分、いや、絶妙な柔らかさを併せ持っており、路面状況が変化しても気象条件が悪くなっても何でも受け止めてくれるような寛容さがあった。欲を言えばポジションが初代のようにラクチンだったら良かったのと、タンク容量がもう少し大きければ……というのがあったが、それは些細な要望であり概ね気に入って乗っていた。



 しかしこれも国内ではヒット作とはならなかった。質実剛健過ぎるのだろうか……それとももう4気筒ミドルクラスのニーズはないのだろうか……。そうこうしているうちに、125/250/1000の各クラスで「ネオスポーツカフェ」なるシリーズが展開されるようになり、CB650Fもこれの仲間入りをすることになったのだった。


ネオスポーツカフェはすでにご存じの通り、伝統的な丸ライトを装備しながらもモダンなスタイリングをしたホンダの新しい提案。650もこの仲間になるのは自然な流れだろうが、前回のモデルチェンジからわずか2年でこのアップデートをするのだから、ホンダはこの650をあきらめる気は毛頭ない、という意思を感じさせてくれる。

  • 車名はRとなり、よりスポーティーな味付けに

今回のモデルチェンジの肝となるのは、これまでのFではなくRになったことだ。CB650Rと車名が改められ、その内容もR化している。より高回転型のパワフルなエンジン、倒立フォークの採用、ラジアルマウントブレーキキャリパーの採用、よりスポーティなライディングポジション、小さくなったガソリンタンクなどがそれらの主な変更であり、これまでのオールラウンドな性格というよりもショートトリップで積極的なライディングを楽しむようなモデルへと変貌したのだ。



しかしこれら変更は、筆者が先代に希望していた改良点の逆を行くものが多いというのも事実。「そっち方向に行っちゃったんだ…… 」といった後ろ向きな気持ちもありつつ試乗に臨んだのだが、乗ってみればまさにコンセプト通りの進化を感じさせてくれた。



フロント周りの剛性感や、ライディングポジションの変更でよりフロントに荷重がかかりやすいその構成により、今まで以上にフロントタイヤを中心にクルクルと良く曲がる性格になっているし、エンジンは確かに高回転型になっておりパワーバンドは上乗せされた5馬力を実感できるだけでなく、アシスト&スリッパークラッチのおかげもあってかミッションもとても節度が良い。エンジンが発するメカニカルノイズも洗練されたような印象があり、ホンダらしい、精密な機械に乗っていることを実感できる。



▼ライダー身長は185cmと大柄だが、それを差し引いても非常に足つきは良い。ステップが後退しハンドルは下げられ、前傾は強くなっている(先代比)。

ルックス・性能双方で大きなチェンジとなったのが倒立フォークの採用。合わせてラジアルマウントキャリパーも装着。

アシスト&スリッパークラッチの採用により非常に軽いクラッチ操作となった。クイックシフターはオプション設定。

  • 果たしてスポーティに進化することが良いことなのか・・

足るを知る、という言葉があるが、RになったこのCB650はまさにこれだろう。100馬力ほどもあるのだから公道におけるあらゆる場面で「足りない」と思うことはないであろうし、逆にこのコンパクトさや自由自在さはリッタークラスにはない気軽なイメージとなっており、ダウンサイジングの候補としても良い一台だと思う。



 しかし一方で、この650シリーズはCB「R」650Rという兄弟モデルもある。CBRもまたスポーティで、CBもR化と共にスポーティ化すると、ではスタンダードネイキッドの役割は誰が果たすのだろうか、という疑問が自然と湧くのだ。個人的にはCBの方はスタイリングだけモダン化し、その内容はより実務的な、長距離ツーリングやタンデムも許容するような路線をとってもいいんじゃないか、という気持ちがある。



かつてのRC42型CB750のように、しなやかで、シート高が低く、リアタイヤも気軽な細さで、何にでも使えるような普遍的なモデル……こんなバイクがなくなって久しいだけに、せっかくCBとCBRという2つの系統を持っているこの650シリーズにおいて、CBの方にはその役割を持たせても良かったのではないかとも思うのだ。


新型CB650「R」は確かにR方向への進化を果たしている。市場がそれを求めていたかはこれからわかることだが、販売店の皆さんはどう感じているのか筆者は知りたいところだ。


(試乗・文:ノア セレン)


■Honda CB650R(2BL-RH03)主要諸元

●全長2,130×全幅780×全高1,075mm、ホイールベース:1,450mm、シート高:810mm、車両重量:202kg ●エンジン種類:水冷4ストローク直列4気筒DOHC4バルブ、排気量:648cm3、ボア×ストローク:67.0×46.0mm、最高出力:70kW(95PS)/12,000rpm、最大トルク:64N・m(6.5kgf-m)/8,500rpm、燃料供給装置:電子制御燃料噴射(PGM-FI)、燃費消費率:31.5km/L(国交省届出値 定地燃費値 60km/h 2名乗車時)、21.3km/L(WMTCモード値 クラス3-2 1名乗車時)、燃料タンク容量:15リットル、変速機形式:常時噛合式6段リターン、タイヤ:前120/70ZR17M/C 58W、後180/55ZR17M/C 73W ●メーカー希望小売価格:961,200円(消費税抜き本体価格:890,000円)

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